サイトの作り直しやサーバーの引っ越しは、家の建て替えと同じです。
住所が変わるのか、部屋の並びが変わるのか、郵便物をどう転送するのか。
ここを丁寧に設計すれば、見に来てくれる人も、検索からの流れも、いつも通りに案内できます。
逆に、住所や部屋番号(=ドメインやURL)が急に変わるのに案内がないと、常連さんも新規の人もたどり着けません。
この記事では、むずかしい言い方を使わず、実務でそのまま使える手順をまとめました。
1. なぜ「引っ越し設計」が大切なのか
サイトの評価や口コミのような「信頼」は、積み木のように少しずつ積み上がります。
ページの場所が変わったり消えたりすると、その信頼が分散したり、届きづらくなったりします。
だからこそ、古いページから新しいページへ「ここに移りました」と案内を出すことが大切です。
案内には二種類あります。
一時的なお知らせ(後で戻す前提)と、恒久的なお知らせ(もうここが新住所ですという合図)。
作り直しやサーバー移転のときは、基本的に後者を使います。
2. 公開前の準備|現状を丸ごとメモする
現在のページの場所(URL)を一覧にします。
トップページ、サービス、料金、アクセス、問い合わせ、記事やお知らせ。
画像やPDFなど、よく見られている資料もメモします。
次に、アクセスが多い順に並べます。
よく見られているページほど、引っ越しの案内を念入りに。
もし削除するページがあるなら、「代わりに読むと良いページ」を決めておきます。
3. 新サイトの作りで気をつけること
ページの名前や並びを、できるだけシンプルにします。
例)/service、/price、/access、/contact、/column。
途中で意味のない数字や記号を入れないことで、引っ越し案内が作りやすくなります。
画像やPDFの場所も、わかりやすいフォルダにまとめます。
例)/images、/pdf。
「誰が見ても迷わない住所」を決めておくと、今後の更新も楽になります。
4. 恒久的な転送(301)の考え方と設定の型
恒久的な転送とは、「古い住所に来た人を、新しい住所へ自動で案内する仕組み」です。
看板を立てて、引っ越し先をずっと指し示すイメージです。
これにより、過去のリンクやブックマークから来た人も迷いません。
型はシンプルです。
古いページA → 新しいページA’ の一対一。
ページが無くなる場合は、いちばん近い内容のページへ。
何も近いものが無ければ、最終手段としてトップページへ案内します。
ドメイン(住所)も変わるときは、旧住所全体を新住所へ案内しつつ、主要ページは個別にも案内を作ります。
これで、サイト全体と個別ページの両方をカバーできます。
5. 公開と同時にやる確認チェック
① 古いページにアクセスして、新しいページに自動で切り替わるか。
② スマホでも同じように案内されるか。
③ 予約や問い合わせのフォームが動くか、送信後の案内が正しいか。
④ 画像やPDFが表示されるか。
⑤ 主要ページのボタン(予約・地図・電話)がすべて機能するか。
あわせて、検索の管理ツール(Search Console 等)で新住所を登録し、地図のようなサイト情報(サイトマップ)を提出します。
これは「ここに引っ越しました」という公式な知らせです。
6. 公開後30日間の見守り運用
公開直後の30日間は、週に一度「迷子になっているページがないか」を確認します。
よく読まれているのに案内が漏れているページが見つかることがあります。
その場合はすぐに案内を追加します。
予約や問い合わせが減っていないかも要チェックです。
減っている場合は、ボタンの文言や場所を見直します。
「無料相談はこちら」「空き枠を確認する」など、行動が分かる言い方にします。
記事やお知らせを少しずつ追加して、新しいサイトでも「いつも動いている」状態を作ります。
これは、見に来る人にとっても、検索にとっても良い合図です。
まとめ
サイトの作り直しで大切なのは、引っ越しの案内を切らさないことです。
現状の把握、分かりやすい新住所、恒久的な転送、公開直後の確認、30日の見守り。
この5点をおさえれば、集客を落とさずに気持ちよく新生活を始められます。
もし不安があれば、丸ごとお任せいただくこともできます。
ページの棚卸しから案内作り、公開後の見守りまで、実務ベースで伴走します。
まずはお気軽にご相談ください。
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