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お客様対応の基本|困ったときの言い回し集

お客様対応の基本|
困ったときの言い回し集

お客様対応の基本|困ったときの言い回し集

困った場面ほど、言葉が固まりがちです。
ですが「受け止める→時間をつくる→謝る・整える→代替案→締め」の順番を守れば、多くの場面は落ち着きを取り戻せます。

本記事は、専門用語なしで“そのまま使える”言い回しを場面別に整理しました。
テンプレを土台に、社内の言い回しや業種に合わせて調整してお使いください。

1. まずは“受け止める”が最優先

最初の一言で、相手の温度が変わります。
事実確認の前に、気持ちを受け止める短い言葉を置きます。

・「大切なご指摘をありがとうございます。」
・「ご不安にさせてしまい、申し訳ありません。」
・「せっかくお時間をいただいたのに、失礼がありました。」

受け止めたあとで「確認します」「状況を整理します」と続けるだけで、対話が前に進みます。

2. その場で答えにくい時の“時間の取り方”

即答できない時は、曖昧にせず時間を区切って約束します。
約束は「期限+手段+担当」をセットで伝えます。

・「本日◯時までに、私からお電話でご報告します。」
・「明日正午までに、メールで選択肢を2つお送りします。」
・「担当に確認のうえ、最短での手配可否を本日中にお伝えします。」

期限を切るだけで、相手の不安は大きく下がります。
守れない約束はしないこと。

3. 誤り・遅延・不備の“謝り方と言い換え”

謝る時は、「何に対して」「何が起きたか」「今どうするか」を短く並べます。

・「納期のご約束に遅れが出てしまい、申し訳ありません。現在、仕上げの工程を前倒しし、◯日納品で調整しております。」
・「ご案内に不備があり、混乱を招いてしまいました。正しい手順をこちらに整理しましたので、すぐに共有いたします。」

責任の押し付けや言い訳は逆効果です。
事実→改善→再発防止の順で、落ち着いて伝えます。

4. 代替案・選択肢で“解決に寄せる”

「できない」の一言で会話は止まります。
近い結果を目指せる選択肢を2〜3案示しましょう。

・「A:◯日仕上げ(追加費用なし)。B:◯日午前仕上げ(一部仕様を簡略/費用据え置き)。C:◯日夕方仕上げ(当社便でお届け)。いずれがご希望に近いでしょうか。」
・「本日中の対応が難しいため、明朝一番に着手し、途中経過を9時にお知らせします。」

選択肢は、相手の“判断負担”を軽くします。

5. 締め方の型と“火種を残さない”コツ

最後は「決まったこと・次の動き・連絡窓口」を再確認します。

・「本日は、◯◯の手直しと納期の再調整で合意いたしました。担当は私◯◯、本日中に進捗をご連絡します。」
・「もし他に気づきがあれば、遠慮なくこのメールにご返信ください。」

電話のあとに、要点だけの短いサマリーをメールで送ると誤解を防げます。

6. 状況別テンプレ:メール&電話の言い回し

ここからは、現場で使いやすい短文テンプレです。
句読点後は改行しつつ、読みやすさを優先して段落をまとめています。

【A. 納期が厳しいご依頼】
「ご依頼ありがとうございます。
最短の手配可否をただいま確認しております。
本日◯時までに、可能な進め方を2案ご連絡いたします。」

「現状のままでは本日中が難しい見込みです。
代わりに、①仕様を簡略して本日夕方、②仕様を維持して明日午前、の2案をご提案します。
ご希望に近いほうをお知らせください。」

【B. 仕様が曖昧なご依頼】
「目的を近づけるため、確認させてください。
1)誰に届けたいか。
2)何を一番伝えたいか。
3)使う場面(チラシ/SNS/店頭など)。
3点まとまり次第、初稿のイメージをご用意します。」

【C. 値引き交渉】
「お見積もりのご相談ありがとうございます。
価格を動かさずに価値を高める方法として、納品物の点数調整や、更新作業の一部を来月に回すなどの選択肢をご提案できます。
目的に近い形で最適化いたします。」

【D. 不備があったとき(当社側)】
「不備によりご迷惑をおかけしました。
ただいま修正を進めており、◯時までに差し替えデータをお送りします。
同種の誤りを防ぐため、チェック工程を1段階追加しました。
再発防止まで含めて対応いたします。」

【E. クレームの初動】
「お怒りはごもっともです。
大切なご指摘をありがとうございます。
事実関係をただちに確認し、◯時までに経過をご報告します。
まずは私が責任をもって対応いたします。」

【F. 電話の締め】
「本日は、◯◯の修正と◯日の納品で合意いたしました。
進捗は私から◯時にご報告します。
要点はこのあとメールでも共有いたします。」

【G. 追加費用が発生する時】
「当初の範囲を超える作業が必要なため、追加費用が発生します。
①必要な理由、②追加の内容、③金額、を明記した見積書をお送りします。
ご確認後の着手といたします。」

【H. こちらから依頼をお断りする時】
「せっかくのお声がけに沿えず恐縮ですが、現在の体制では品質を保てない可能性があります。
代わりに信頼できる事業者をご紹介できます。
ご希望であればおつなぎいたします。」

【I. 返信が遅れた時】
「ご連絡が遅くなり申し訳ありません。
先ほど内容を確認し、◯◯の方針で進めます。
本日中に初稿をご用意し、◯時に共有いたします。」

【J. 打ち合わせを短く整える時】
「本日のゴールは“◯◯の決定”です。
30分で、現状共有→選択肢→決定の順で進めます。
追加のご相談があれば、最後に5分確保します。」

まとめ

困った場面ほど、型が味方になります。
受け止める一言で温度を下げ、時間を区切って約束し、事実と改善を短く伝える。
そして、選択肢を示して相手の判断を軽くし、決まったことを締めの一言で残す。

今日からできるのは、よくある場面のテンプレを3つだけ決めておくこと。
「納期」「不備」「値引き」の3本を社内で共有し、電話後の短いサマリーを習慣化すれば、対応はすぐ整います。

株式会社T&Cでは、現場で使える文面テンプレやフロー整備も含め、業務の“伝わる仕組み”を一緒につくります。
はじめての整備でも大丈夫です。
小さな一歩から、実務で役立つ型を整えていきましょう。

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